
このサイトに来てくれている人は、Stable Diffusionで画像を商用利用を考えている人も多いと思います。
私も最近、Stable Diffusionを使って画像を生成し、それをもとにノベルゲームや漫画作品を制作・販売したいと思っています。
今は、いろいろと調べながら試行錯誤をしているところです。
最近は初心者向けのインターフェース「Fooocus(フォーカス)」という便利なフロントエンドを使って、SDXL 1.0ベースの画像を手軽に生成する方法が再注目を浴びているようです。
そして、画像生成後は「ComfyUI」などで微調整や仕上げを行う。
この流れが今の主流のようです。
しかし、商用利用を前提に画像を使おうと考えると、絶対に見落としてはいけない重要なポイントがいくつかあります。
「とりあえず使ってみた」では危険?商用利用にはライセンス確認が必須
Stable Diffusion系の画像生成AIは、基本的にオープンソースで自由に使えるように思われがちですが、使うモデルによってライセンス(利用許諾)がまったく異なります。
特に商用目的(販売・広告・有料サービスなど)で使う場合は、
- 商用利用が許可されているモデルか?
- 利用許諾に制限や注意書きがないか?
- ファンアートや著作権侵害のリスクがないか?
といった点をしっかり確認する必要があります。
Fooocusで使えるモデルはSDXL 1.0限定なのですが、この中にも、
- 商用利用OKなもの
- 非営利専用のもの
- 著作権的にグレーゾーンなもの
が混在しています。
その中でも特に気を付けなければいけないのが、PONY系モデルです。
PONY系モデルとは?可愛いけれど商用利用は避けるべき理由

出典:Civitai.com – “Pony Diffusion” 検索結果のスクリーンショット(2025年6月時点)※本スクリーンショットは引用目的で掲載しています。著作権は各モデルの制作者に帰属します。
SDXLベースのモデルには、さまざまなスタイルやテーマがありますが、その中に「PONY系」と呼ばれるモデルがあります。
このPONY系は、My Little Pony(マイ・リトル・ポニー)というアメリカの有名なキャラクター作品に強く影響を受けたデザインが含まれているようです。
「MLP」=My Little Ponyとは?
「MLP」は、Hasbro社が展開する人気シリーズ「My Little Pony」の略称で、カラフルなたてがみ、特徴的な目、個性的なキャラ設定などが世界中にファンを持っています。
この作品は、非常に強力な著作権・商標権の管理がされているため、ファンアートであっても商業的な取り扱いには制限がある場合がほとんどです。
PONY系モデルはMLP風の学習データが含まれていることが多い
以下のようなモデル名・説明があった場合、PONY系の可能性が高いです。
- モデル名に「Pony」「MLP」「Equestria」などが含まれる
- 説明文に「inspired by My Little Pony」や「MLP-style faces」などの記載がある
- 作例画像にパステルカラーの動物キャラ、虹色のたてがみ、大きな目のデザインが見られる
そして、たとえモデルページに**「商用利用OK」のアイコンがついていたとしても**、その中にMLP風のデータが含まれている場合は、現実的には商用利用すると著作権トラブルのリスクがあると思っておいた方が良いです。
「知らずに使ってしまった」では済まないことも
PONY系モデルの怖いところは、見た目がかわいらしく、使ってもいいじゃない?と、問題なさそうに思ってしまうことです。
でも、商用に使ってしまった後で「これMLPに似てない?」と指摘されると、最悪の場合、販売停止や法的リスクが発生する可能性もあります。
特にゲーム、イラスト集、広告用素材など収益が発生する用途では、こうしたモデルは使用を避けるのが無難です。
Civitaiで商用利用OKなSDXLモデルを見極める方法【初心者向けチェックリスト付き】
画像生成AIを使って商用活動を行う上で、モデルのライセンス確認は絶対に外せないステップです。
私はCivitaiをよく利用させていただいていますが、「利用許諾マークを見れば、商用利用の可否を判断できます」ので、確認は必須です。
モデルページのどこを見る?基本は右下の「使用許諾アイコン」

Civitaiでは、各モデルの詳細ページ右下に**7つのチェックマーク(許可リスト)**が表示されていて、これが商用利用可能かどうかを見極めるポイントです。
商用利用OKかどうかは、この2つを確認!
最低限、以下の2項目に✅(緑のチェック)が入っていれば、画像を商用利用してOKと判断できます。
チェック項目 | 意味 |
---|---|
✅ Sell images they generate | 生成した画像を販売してOK(例:グッズ、書籍、漫画、ゲームなど) |
✅ Run on services that generate for money | 有料サービスで使用OK(例:Skeb、同人活動、商業案件など) |
逆にこのチェックがないと危険です
- ❌「non-commercial use only」:非商用限定と明記されているモデルはNG
- ❌「This model is inspired by X anime/game」:ファンアート系はそもそも危険
- ❌「Sell this model or merges using this model」:モデル自体の販売NG(ただし画像販売には影響しないことが多い)
✅ 初心者向けチェックリスト:商用利用OKモデルを見分ける5ステップ
- モデル名に「fanart」「pony」「anime character」など商標系ワードが含まれていないか?
- モデルページの**「利用許可アイコン」に✔が入っているか?**(特に2項目)
- 説明文や注意書きに「non-commercial」や「MLP」などの記載がないか?
- 作例画像に明らかに既存キャラクターに似た要素がないか?
- 可能であれば、念のため作者コメントや投稿日時が新しめのモデルを選ぶ(SDXL対応度が高い)
最近は「商用OKです」と明記してくれている親切なクリエイターも増えているので、まずはそのようなモデルから使うのが安心です。
LoRAも要注意!Fooocusで追加学習モデルを使うときの商用利用の落とし穴
Fooocusでは、基本のSDXLモデルに加えて「LoRA(Low-Rank Adaptation)」という追加学習モデルを使うことで、キャラクターの表情・服装・絵柄などを柔軟にカスタマイズできます。
私もLoRAをいくつか試してみたのですが、想像以上に変化が大きく、細かい絵柄の指定ができるので本当に便利です。
モデル単体では表現できない小物を使いたい場合に、loraを使わせてもらっています。
ですが、ここでもやはり、「商用利用の落とし穴」が潜んでいます。
LoRAにも別ライセンスが設定されていることがある
LoRAファイルも1つの“モデル作品”として、それぞれにライセンスが存在しています
- 本体モデル(たとえばSDXL)が商用OKでも、
- 組み合わせたLoRAが「非商用専用」だった場合、
その画像を使って販売・収益化するのはNGになる可能性があります
CivitaiでLoRAのライセンスを確認する方法
SDXLのモデルと同様に、LoRAの詳細ページにも「使用許諾アイコン」が表示されます。
以下のような表示があれば、安全に商用利用が可能です:
チェック項目 | 意味 |
---|---|
✅ Sell images they generate | 生成画像を販売OK(LoRA使用後の画像も含む) |
✅ Run on services that generate for money | 有料サービスでのLoRA使用OK |
ただし、Pony系やアニメキャラ風のLoRAでは、以下のような表記がよく見られます:
- ❌「for personal use only」
- ❌「non-commercial」
- ❌「fanart based」
このような記載があれば、商用利用は避けたほうが安全です。
FooocusでLoRAを使う際の商用利用まとめ
- ✅ LoRAごとにライセンスを確認する(本体モデルと別で管理されている)
- ✅ 安全なのは「完全オリジナルのLoRA」か「商用利用OKと明記されたLoRA」
- ❌ ファンアート、Pony系、アニメキャラ風は特に注意が必要
安心して商用利用できる!Fooocus × SDXL対応のおすすめモデル3選【2025年版】
ここまで読んでくださった方は、きっと「じゃあ結局、何を使えば安全なの?」と思っているかもしれません。
そこで、私自身がFooocusで試してみて実際に好印象だったモデルの中から、商用利用可能(=Civitaiで確認済)で、かつ画質・安定性も高いおすすめのSDXLモデルを3つご紹介します。
1. Nova Anime XL

出典:Civitai.com – “Nova Anime XL” モデル詳細ページのスクリーンショット(2025年6月時点)
- ジャンル:アニメ調(自然な配色+柔らかい線)
- 商用利用:✅ OK(Sell images / Run on services ともに✔️)
- 特徴:Fooocusでの描画が非常に安定していて、カラーバランスも良好
- 向いている用途:マンガ、ライトノベル表紙、ノベルゲーム
補足:名前はアニメっぽいですが、特定のキャラや作品とは無関係。Ponyや版権リスクもなし。
2. 🖼️ RealVisXL V3.0

出典:Civitai.com – “RealVisXL V3.0 Lightning” モデル詳細ページのスクリーンショット(2025年6月時点)※このモデルはクレジット表記必須です(商用利用は可能)
- ジャンル:リアル系(人物、風景、日常シーンなど)
- 商用利用:✅ OK
- 特徴:肌の質感や目の描写がリアルで、AI感が少ない
- 向いている用途:広告素材、写真風ビジュアルノベル、イラスト集
SDXL専用モデルで、Fooocusとの相性も非常に良いです。
3.DreamShaper XL 1.0

出典:Civitai.com – “DreamShaper XL” モデル詳細ページのスクリーンショット(2025年6月時点)
※このモデルは商用利用可能ですが、モデルファイルやマージ済みモデルの販売・再配布は許可されていません。
- ジャンル:リアル×アニメの中間(いわゆる“セミリアル”系)
- 商用利用:✅ OK(Civitaiで「画像販売」「有料サービス利用」どちらも許可済み)
- 特徴:リアルすぎず、アニメすぎない絶妙なスタイルが魅力。キャラの描写が柔らかく、表情も自然で、人物イラストにとても向いていると感じました。
- 向いている用途:ノベルゲームの立ち絵、ライトノベル風の挿絵、SNS・同人誌のイラスト素材など
SDXL専用モデルとして高い人気があり、Fooocusでの動作も安定。LoRAとの併用にも強く、プロ・個人問わず使いやすい一押しモデルです。
モデル選びで迷ったら…
- ✔️ 「商用利用OK」かどうか
- ✔️ 作例画像にPonyや版権キャラ風の要素がないか
- ✔️ できれば最近アップロード・更新されたもの(SDXL完全対応の可能性が高い)
この3つを意識して探すと、Fooocusでも安定した商用活用ができると思います。
まとめ:FooocusとSDXLモデルを安全に商用利用するために、今すぐ確認したいこと
Stable DiffusionとFooocusを使って創作活動をするのは、とてもワクワクすることですし、私自身もAIによる創作の可能性には大きな魅力を感じています。
ただ、商用利用を前提にするなら、絶対に避けて通れない注意点モデルやlora選びのライセンスをしっかりと確認しておきましょう。
ちぇっくポイント
- FooocusはSDXL 1.0専用。SD1.5や古いLoRAは使えない。
- 商用利用をするには、Civitaiのモデル利用許諾を必ず確認すること。
- 特に「Sell images they generate」と「Run on services that generate for money」に✔️が必要です。
- PONY系モデル(MLP風)は要注意! たとえライセンスOKでも著作権リスクが高く、商用には向かない。
- LoRAにも別ライセンスがあるため、本体モデルとLoRAの両方を確認しないと危険。
- 安全に使えるモデルとしては、Nova Anime XL、RealVisXL、Juggernaut XLなどが特におすすめです。
商用利用前にやっておくべき「3つのチェック」
- ✅ モデル名・説明・タグに「Pony」「fanart」「MLP」などが含まれていないか?
- ✅ モデルページ右下の「使用許諾アイコン」で、商用OKマークが2つ揃っているか?
- ✅ 作例画像が、既存の著作物に酷似していないか?
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