
ClaudeとChatGPTで同じゲームを作ってみたら…?
最近、「スイカゲーム風」の宝石パズルゲームを自作してみました。
比較的シンプルなゲームとはいえ、物理演算や当たり判定など、ちょっとしたロジックの部分が絡むので、AIコード生成の実力差が気になるところ。
最初はいつものように、ChatGPT(4o-mini-high)にお願いしてみたのですが……うーん、何度コードを生成し直しても、バグやエラーが消えませんでした。
コードの行数は200行程度に収まっていたのですが、肝心の挙動がどうしても安定しない。特に、オブジェクト同士の当たり判定のズレや、表示崩れが発生しやすく、「またミスか…」という繰り返し。
このままでは埒が明かないと判断して、久しぶりにClaude(無料版)を試してみることにしました。
Claude(無料版)でコード生成を試してみた結果
同じ仕様書とプロンプトを使って、今度はClaudeにコード生成を依頼してみました。すると、ChatGPTでは200行ほどだったのに対し、Claudeはなんと550行近いコードを出力。
もちろん、エラーがまったくなかったわけではありませんが、完成度の高さやUIの見た目、動作の安定性は段違いでした。
特に驚いたのが、衝突判定の実装部分や、オブジェクトの挙動に関する精度。ChatGPTでは何度修正してもズレが直らなかった部分が、Claudeでは1回の修正でしっかりと機能するようになっていました。
さらに、Claudeが出力したコードにあったエラーを修正する際も、ChatGPTではコード量が減ってしまったり、別の不具合が出たりするのに対し、Claudeはそのまま1発で安定動作のコードを完成させてくれました。
この体験を通して、コードの構造や設計面でもClaudeの方が丁寧に組み立てている印象を受けました。
ChatGPTの強みは「修正プロンプト生成」にあり?
とはいえ、ChatGPTにも強みがあります。
たとえば、バグの原因を特定し、その修正のための指示や仕様書を作る作業は、ChatGPTの方が得意だと感じました。
実際に、Claudeが出力したコードに不具合があった場合、ChatGPTにその内容を説明して「どのような修正指示を出せばよいか」を聞くと、かなり的確なプロンプトを作ってくれます。
例としては、以下のような指示をChatGPTに生成させました。
「それでは、表示崩れと、2つのフルーツの当たり判定(衝突)が微妙にズレて、常に『衝突中』になっている。この2点を修正するためのプロンプトを書いてください。」
このように、ChatGPTはコードそのものよりも、コードを「直させるための考え方」や「伝え方」に強いという印象です。
個人的には、ChatGPTはエンジニア的な視点をサポートしてくれる「コードレビューアー」的なポジションが合っているのではないかと感じました。
ファイル添付で精度アップ?ChatGPTでコードを貼り付ける際の工夫
もうひとつ、ChatGPTを使っていて気づいた点があります。
それは、コードを手動で貼り付けるよりも、テキストファイルとして添付して読み込ませる方が精度が上がるということです。
手動でコードをペーストすると、ChatGPTが全文を解析しようとして混乱し、出力にブレやバグが発生しやすくなる印象がありました。
しかし、コードをテキストファイルにまとめて「このファイルを元に○○してください」と指示したところ、以前よりも安定して出力されるようになった気がします。
ただし、それでもやはり完全には期待通りにはいきません。
ChatGPTはしばしばコードを勝手に短縮したり、仕様通りに書いてくれなかったりすることがあるため、注意が必要です。
とはいえ、ちょっとした工夫で精度が改善する場合もあるので、複雑なコードを扱う際には「コード全文をファイルで渡す」ことを一度試してみるのもアリだと思います。
Claudeは無料でも高性能。ただし、制限には注意
Claude(無料版)を使ってみて一番驚いたのは、そのコード生成能力の高さです。
UIのデザイン、コードの構成、そして細かい挙動まで、ChatGPT(4o-mini-high)と比べると、かなり完成度が高いと感じました。
もちろん、Claudeもコードミスを起こすことはあります。ですが、その修正の的確さと柔軟さには好印象を受けました。
特に、同じ指示で再生成してもブレが少なく、1回の修正でしっかりと機能することが多かったです。
ただし、無料版にはいくつか制約があります。
- コード生成の速度はやや遅め
- 1日の使用回数に制限がある
このあたりは「ちょっと待てる人向け」ではあるものの、それを差し引いても無料でここまでできるのは本当にすごいと感じました。
【まとめ】AIでゲーム開発するなら、使い分けがカギ
宝石パズル 無料|ジュエルを進化させる判断力系ブラウザゲーム
今回、ChatGPT(4o-mini-high)とClaude(無料版)を使って「スイカゲーム風の宝石パズルゲーム」を作ってみた結果、以下のような結論に至りました。
◎最初のコード生成にはClaudeが向いている
- 同じプロンプトでも、Claudeの方が見た目・動作ともに完成度が高い
- コードの構成も丁寧で、機能の実装率が高い
- ミスがあっても、再生成や修正の精度が高く、安定している
◎修正やエラー対応はChatGPTを活用するのがベスト
- ChatGPTは、ミスの原因を解析し、修正のためのプロンプトを生成するのが得意
- 「コードを書くAI」というより、「コードを改善・支援するAI」として非常に優秀
- 特に、修正仕様書や指示文をまとめる場面で活躍する
◎それぞれのAIに得意・不得意があるので、併用が理想
- Claudeでコード生成 → ChatGPTで修正指示を作成 → 再度ClaudeかChatGPTで修正
この流れが、もっとも完成度の高いコードに早くたどり着けると感じました。
今後も、AIを活用したプログラミング支援ツールは進化していくと思いますが、
現時点でも「AIをうまく使い分ける」ことで、無料でもかなり高品質な開発ができるようになったと実感しています。
この記事が、これからAIを使ってプログラム開発に挑戦する方の参考になれば嬉しいです。
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